素粒子物理学の研究者で組織された「ILC立地評価会議」が2013年8月に発表した評価結果について、九州大学、佐賀大学の地質学、土木工学、地震学等の幅広い研究者が、科学的、学術的に検証を行い、その結果を「ILC立地評価会議評価結果検証報告書」としてとりまとめました。
検証結果については、有川節夫九州大学総長より、9月19日に記者発表されました。
検証報告書は、国が候補地を判断する際の参考にしてほしいとして、有川総長が文部科学省と日本学術会議に報告されました。
【検証報告書抜粋】
V おわりに
本報告書は、ILC立地評価会議による評価結果説明レポート(公開可能版、平成25年10月)の内容を科学的・学術的な観点から詳細に検証し、その結果をまとめたものである。
検証結果を要約すると、全体にわたって適切な評価がなされているところも少なくないが、一部には評価のもとになった資料自体に問題があり、それが評価結果に大きく影響を及ぼしていると判断された。
たとえば、地震や活断層に関する資料には多くの欠落や誤記があり、炭鉱や鉱山、温泉に関しては科学的知見に誤解や見落としがある。また、自然由来重金属等に起因した建設発生土による環境汚染問題は、科学的に予見されるにもかかわらず未検討であり、さらに社会環境基盤の評価に関しては明らかに偏見とも思える見解が含まれている。
したがって、評価レポートの評価手法や内容には、科学的・学術的に見て理解し難い点が数多く含まれており、それを基にした結論は広く社会に受け入れられるものではない。
今後、わが国でILC計画を推進するためには、幅広い観点からの総合的な調査検討が行われ、国が主体になって候補地を選定したうえで、基礎科学分野における世界の将来を見据えて、わが国の誇りと見識を示した提案がなされることを強く要望するものである。その際に、この検証結果が少しでも役立つならば幸いである。
平成25年11月15日、ILC(国際リニアコライダー)
代表の有川節夫九州大学総長、顧問の小川洋福岡県知事、
【要望文】
「ILCアジア-九州推進会議」は、九州・
8月23日、素粒子物理学等の研究者で構成された「
しかし、この評価については、脊振地域は、
また、ILC計画を推進する限られた研究者による評価は、
さらに、
「ILC立地評価会議」は、
我が国においてILC計画を実現するためには、アジア、欧州、
9月30日、「日本学術会議」は、
国におかれては、上記の提言を踏まえ、
また、「地震調査研究推進本部」
ILCアジア-九州推進会議
代 表 九州大学 総 長 有
川 節 夫
代 表 九州経済連合会 名誉会長 松
尾 新 吾
平成25年11月15日、ILC(国際リニアコライダー)
代表の有川節夫九州大学総長、顧問の小川洋福岡県知事、
【要望文】
「ILCアジア-九州推進会議」は、九州・
8月23日、素粒子物理学等の研究者で構成された「
しかし、この評価については、脊振地域は、
また、ILC計画を推進する限られた研究者による評価は、
さらに、
「ILC立地評価会議」は、
我が国においてILC計画を実現するためには、アジア、欧州、
9月30日、「日本学術会議」は、
国におかれては、上記の提言を踏まえ、
また、「地震調査研究推進本部」
ILCアジア-九州推進会議
代 表 九州大学 総 長 有
川 節 夫
代 表 九州経済連合会 名誉会長 松
尾 新 吾
11月11日、「ILCアジア-九州推進会議」は評価結果発表後、「ILC立地評価会議」に対して要求していた評価資料の提出を受けました。
川越議長とのやり取りでは、
今後、推進会議として提出された資料を学術的に検証し、結果を公表することにしてい
ます。
平成25年9月17日
「ILC立地評価会議」による国内候補地選定に対する緊急声明
ILCアジア-九州推進会議
代 表 有川 節夫
代 表 松尾 新吾
「ILC立地評価会議」は、ILC計画を推進する素粒子物理学者を中心とする研究者8名から構成され、本年1月から、技術的観点及び社会環境の観点から、ILC国内候補地の評価を行ってきた。同会議に対しては、九州大学、佐賀大学を通じて、「ILCアジア-九州推進会議」が一体となって、データ提供などの協力を行ってきたところである。
また、我が国の科学者を代表する組織である「日本学術会議」においては、ILC計画における研究の学術的意義、ILC計画の素粒子物理学における位置づけ、ILC計画を我が国で実施することの意義などについて検討が行われている。
このような中で、「ILC立地評価会議」は、8月23日、「ILCの国内候補地として、北上サイトを最適と評価する」との評価結果を突然公表した。
この評価については、脊振地域は、平成25年2月の国の活断層調査結果が取り上げられているのに対し、北上地域は、国による同じ調査がまだ行われていない。また、内外の研究者やその家族が安全・安心・快適に研究や生活ができる環境や都市基盤の整備状況などをどう評価したのかなど明らかでない。そうしたことから、同会議に対して、評価時点における評価基準及び評価根拠となる事実、データの十分な説明及びその公表を求めてきた。
しかしながら、今月8日に開催された説明会においても、依然として評価の基準、両候補地の評価に関する科学的・学術的観点からのデータ、資料の提出や十分な説明がなされず、到底納得できるものではなかった。
我々としては、「ILC立地評価会議」に対し、改めて、評価基準、評価結果を導くに至った明確な根拠資料、具体的な評価プロセスがわかる評価会議、専門委員会の議事録などの全ての資料(評価時点のものに限る)の説明及び公表を強く求める。
9月8日(日)、ILC立地評価会議からILCアジア-九州推進会議及び関係市町の実務者に対し、8月23日に発表された候補地評価についての事前説明が行なわれました。
参加者からは
多くの質問が出されました。
これらの質問に対し、評価会議側からは、十分な説明はなく不透明な状態です。
どのようなプロセスで今回の評価が下されたのか、詳細なデータや資料提出を求めています。
本日、ILCの国内候補地について、脊振・北上両候補地の評価を実施してきた「ILC立地評価会議」がその結果を公表しました。
内容は、「ILCの国内候補地として、北上サイトを最適と評価する」という、想定していない結果であり、驚いています。
今日、発表があったばかりであり、評価書を詳細に分析する必要がありますが、記者会見で受けた印象では、地質調査については、国が平成22年に、活断層の新しい評価方法を示し、脊振地域は、この調査・評価が行われたことから、最新データが今回の評価に反映されています。一方、東北は、国による調査、評価が、まだ行われておりません。また、中央研究所や研究者等の生活に関わる地表部分での地震の頻度と大きさの状況についても、評価が明らかにされておりません。さらに、社会的観点からの評価でも、研究者やその家族が安全・安心・快適に研究や生活ができる環境をどう確保するのか、さらに住環境など都市基盤の整備費はどうするのかという問題があります。こういった点については、もっと検討されなければならないと思います。
我が国において、
負担や人材・要員の参画が不可欠です。そのため、我が国は、
先般の日本学術会議において、
研究者が6月に作成した技術設計書や今回の評価結果の内容も、
我々は、今後、国の調査が行われる際に、
る用意があります
国においては、財政負担も大きい本プロジェクトについて、
総合的な検討が行われるよう要望します。
平成25年8月23日
ILCアジア-九州推進会議 代表 有川節夫 九州大学総長
代表 松尾新吾 九州経済連合会名誉会長
8月10日、「九州へのILC誘致を実現する会」からの地元選出国会議員に対する約35万筆の署名引き渡しに小川知事が立ち会いました。
平成25年3月より、地元の若手経営者からなる「九州へのILC誘致を実現する会」がILCの九州での実現に向けて署名活動を行い、最終的に約35万筆を超える署名が集まりました。
今回の署名は、地域が一体となった結果であり、署名をいただいた方を含め、地域に広くアピールするため、同会から、原田義昭衆議院議員など地元選出国会議員に対し、ILCアジア-九州推進会議有川代表、松尾代表、小川知事などの立ち会いのもと、署名活動や地域住民の盛り上がりについての報告がなされ、約35万筆を超える署名の引き渡しが行われました。
なお、この署名は、リニアコライダー国際研究所建設推進議員連盟会長の河村建夫衆議院議員あてに提出されます。
7月19日、第12回サイエンスカフェ@ふくおかを開催いたしました。
今回は、過去サイエンスカフェで講師をやっていただいた先生方7名と「宇宙を語る」がテーマでした。
当日はたくさんの方に参加いただき、宇宙話でたいへん盛り上がりました。途中、サプライズで「ILC-SEFURIたこ焼き」も登場し、参加者の皆さんと講師の皆さんで九州でのILC実現を夢見ながら美味しくいただきました。
平成25年7月19日(金)、九州・脊振地域へのILC実現を目指す「九州へのILC誘致を実現する会」の皆さんが、福岡県小川知事に署名活動の報告を行いました。
小川知事は、「約35万筆もの署名を集めた皆さんの熱意に心から敬意を表します。九州へのILC実現に賛同される多くの方の熱い想いを引き続き、しっかり伝えていきます。ILC計画を最重要課題の一つとして、実現に向けて活動していきますので、皆さん一緒に力をあわせて頑張りましょう」と述べました。
平成25年7月9日「ILCアジア-九州推進会議講演会」を開催しました。
講師に、ILC戦略会議議長山下先生、九州大学教授塚原先生を迎えました。
山下先生からは「ILC計画の実現に向けて~最新トピックス~」
塚原先生からは「ILCを核とした国際研究都市づくりと九州のポテンシャル」
についてそれぞれご講演いただきました。
参加者は540名を超え、講演後は質問がたくさん上がり活発な講演会でした。
「第11回サイエンスカフェ@ふくおか」のテーマは「宇宙に行く!」でした。
講師は、九州大学 工学研究院 航空宇宙工学部門 宇宙システム工学講座の平山寛先生!宇宙に行くにはいくらかかるの?から始まりロケットの仕組みや現在九州で計画されているプロジェクトの紹介など、充実した内容でした。
詳しい報告はこちらから
福岡市にとっても未来を大きく変える可能性のある『ILC』とは何か?最近話題の『ヒッグス粒子』や『暗黒物質(ダークマター)』など、ILCによって解明される『宇宙の謎』とは何か?ILCによって『福岡・佐賀はどう変わる』のか分かりやすくお話し戴きました。
主催 九州大学・福岡市
日時 平成25年5月22日 水曜日 18時30分から20時30分
会場 福岡市役所15階 講堂
内容 第1部「物質・宇宙の起源に迫るILC計画」
講師 川越 清以(九州大学理学研究院教授)
第2部「国際リニアコライダーは地域をどう変えるか」
講師 高田 仁(九州大学経済学研究院准教授)
第10回サイエンスカフェ@ふくおかの活動報告となります。
今回の講師は、おなじみ九州大学の吉岡先生。
そして、今年になって様々なイベントやサイエンスカフェ活動報告などで
活躍している、九州大学の古浦氏が初登壇致しました。
下記、より活動報告が確認できます。
素粒子をとらえる仕組みがよくわかる内容です。
是非、ご確認下さい。
活動報告はこちら
小川福岡県知事、古川佐賀県知事、松本福岡県議会議長は欧州における「国際リニアコライダー(ILC)計画」推進の中心的な研究機関「欧州合同原子核研究機関(CERN)」(スイス・ジュネーブ)を訪問し、世界の研究者が望む研究、生活環境などについて意見交換しました。
面談したホイヤー所長は、「若い研究者が多く、研究面だけでなく、家族とともに安心して生活できる環境が非常に重要である」と述べ、英語が使える医療機関、インターナショナルスクール、研究者の家族が働ける環境などをあげました。
午後は、地下約100メートルにある測定器を視察し、施設の大きさを実感しました。
前日には、多くの研究者が住む町フェルネーボルテールを視察。九州大学から派遣され同地で研究を行っていた東城順治准教授からは、「居住地のそばで身の回りのものが揃う利便性が重要である」との話があり、生活環境の重要性を確認することができました。
サイエンスカフェ@ふくおかを開催いたしましたテーマは「相対性理論」!
私たちが特に意識することもなく当たり前に存在する、「時間」と「空間」、そして「重力」などについて九州大学の原田先生よりお話頂きました。
詳しい報告はこちらから
九州におけるILC計画実現に向けて、福岡県と佐賀県が共同で、候補地である「脊振」と「ILC」というキーワードを、世界中に周知するために制作しました。
素粒子物理学の巨大実験研究施設 ILC(国際リニアコライダー)を、早稲田大学系属 早稲田佐賀中学校・高等学校の学生たちがミュージカルによって説明した映像『脊振ILCハイスクール!』。是非、ご覧ください。
福岡県庁1階県民ホール北側にILCコーナーが設置されました。
コーナーには、ポスターや構想パネルが掲示され、巨大モニターにてプロモーションムービーが放映されています。また、コーナーの上には大きな横断幕が掲示されています。
2013年3月31日(日)「第8回サイエンスカフェ@ふくおか」を開催致しました。
下記活動報告がUPされています。
大変良くまとまった報告ですので、是非ご一読下さい。
http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/outreach/past_130331.html
質量の起源とされるヒッグス粒子の性質解明や未知の粒子発見など、世界最先端の研究が行われる「国際リニアコライダー(ILC)計画」を日本、そして九州で実現するため、九州・山口地域の産学官政が一体になって設立した「ILCアジア-九州推進会議」では、3月27日(水)、九州・山口選出の国会議員を対象に設立報告会を開催致しました。
ILCアジア‐九州推進会議と佐賀県は、このたび有明佐賀空港にILC推進のエレベーター広告を掲出しました。
広告掲出開始日 : 平成25年3月20日(水曜日)
広告掲出場所 : 有明佐賀空港エレベーター外壁
テーマ :「星の一生、宇宙の一生」
宇宙(そら)に美しく輝いている星々・・・ でも、星はいつまでも輝き続けるわけではありません。 星は生まれ、輝き、そしてやがて死を迎えます。 宇宙もまた、永遠不変ではありません。 今回は、星や宇宙の一生に迫ります。 キーワードは「ベテルギウス」、「宇宙図」、そして「ILC」。
<講師>
山岡 均 博士 (九州大学 大学院理学研究院物理学部門
/国際宇宙天気科学・教育センター)
東京大学大学院理学研究科天文学専攻に学び、20年以上にわたって九州大学で 教鞭を執る。1993年博士(理学)取得。専門は天体物理学、特に恒星全体の大爆 発である超新星の理論的観測的研究。天文学の普及教育にも並々ならぬ情熱を 注いでおり、テレビやラジオ、講演や科学イベントなどを通じて天文学の楽し さを市民に伝える。現在、日本天文学会教育理事。著書に「君も新しい天体を 見つけてみないか」「大宇宙101の謎」など多数。
<司会>
吉岡 瑞樹 博士 (九州大学 理学研究院 物理学部門 素粒子実験研究室)
東京大学で博士号を取得の後、東京大学素粒子物理国際研究センター、 高エネルギー加速器研究機構(KEK)の研究員を経て、九州大学に赴任。 専門は実験素粒子物理学で、低エネルギー中性子を用いた基礎物理実験を推進するとともに 国際リニアコライダーの実現に向けた開発研究を行っている。
2月21日、ILC(国際リニアコライダー)計画の日本、さらには九州での実現を目指す推進組織「ILCアジア-九州推進会議」として、初めての要望活動を実施しました。
この推進会議の顧問である小川知事は、副代表の末吉九州商工会議所連合会会長及び顧問の古川佐賀県知事・松本福岡県議会議長とともに、下村博文文部科学大臣や超党派の国会議員の「リニアコライダー国際研究所建設推進議員連盟」の会長である、河村建夫衆議院議員を訪問し、ILC計画を国家プロジェクトとして取り組むよう要望しました。
テーマ:国際リニアコライダー(ILC)とは何か? ~脊振山地に“小さい宇宙”が誕生する!?
日 時:平成25年 2月 18日(月) 18:30~21:00
会 場:電気ビル共創館 3F カンファレンス(福岡市中央区渡辺通2-1-82)
内 容:第1部 国際リニアコライダーと宇宙
講師:藤本 順平 氏
(高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所)
第2部 国際リニアコライダーは地域をどう変えるか
講師:高田 仁 氏
(九州大学大学院経済学研究院・産業マネジメント部門 准教授)